悲鳴窟

怪談その他

【日記】20230710 鰻

夕方、保育園に娘を迎えにいったら、園脇の側溝に大きな鰻が横たわっていた。野田という小柄な先生が刺股みたいなものでそれを上からおさえつけているところに國分という背の高い先生が駆けてきて、手に持った千枚通しで鰻の脳天を貫いた。鰻は笛を吹くような声で高く長く鳴くと見る見るうちに全身の色が真っ白になった。死んだらしかった。「こうなったらもう煮ても焼いても食えないんだ」と見物の爺さんがひとりごちた。そのほかにはだれも、なにも言わなかった。なんでも鰻は園児をひとり頭から呑み込んだとのことで、物騒な話だと思う。夕飯は鮭を焼いて食べた。